
gggでやっていた細谷巌のラストショウに行ってきました。
1階は今までの代表作の展示で、地下は細谷さんの言葉を秋山晶さんが
セレクトし、ヴィジュアルにした新作の作品が展示されていました。
代表作のポスターは、一番古いもので19歳の時に賞を取ったものでした。
(なので一歩見始めてですでに衝撃を受けてしまいました。。)
細谷さんは有名なADだというのは知っていて、
広告ももちろん紙面では見たことはあったけれど、
実寸サイズで見ると細かいところまでこだわっていてすてきでした。
よく展覧会に行ったり講演会に行ったりすると途端にその人が
大好きになってしまうのですが、細谷さんは特に言葉のひとつひとつが
すてきすぎてまたしても大好きになってしまいました。
次は是非本を読みたいと思います。
言葉ってものすごい影響力。
わたしも言葉によって受ける衝撃が強くて、
言葉に縛られたり、動かされたり。
しばらくそのパワーは持続するのだけれど、
ふとかたちを思い出そうとするとさらさらと
消えてしまうし、頭の中で勝手にかたちが
変わってしまったり。だからいつも見える
状態にしておこうと。
細谷さんの言葉でぐっときたものを紹介します。
「情報量の多い中で、表現は自由でアイデアも無限にあるような気がして、
何をどうしたらよいのか迷い困ってしまうことがあると思います。
そんなときは私はやりたいことよりも、自分がやれることを重視します。
少し不器用でも、この方法ならば自分にはなんとかできると思うものを
先ず見つけることです。そして、あまりむずかしく考えないことです。」
「すべての映像は言葉を持っている。と僕は思う。
すべての言葉は映像を持っている。とまた僕は思う。」
「私の自信は長く続かず、すぐに消え失せてしまい次なる不安が去来するのです。
私にとって自信というものはなんとも頼りないおかしなものだと思いました。」
「コミュニケーションについて必要なことはいろいろとありますが、今の時代
特に必要なことは、相手の気持ちを思いやる共感能力がとっても大切なことだと
思います。
共感=他人の考えや感情に対して、立場や生き方の違う人が同じように感じること。」
「決められた美しさに対して、人は容易に否定はできない。
それは社会のならわしというものにつながるものだから、
なおさらむずかしい。
花の美しさに疑問を持ちながら、花をながめると、
いろいろな花の欠点が目につくものだ。」
「例えば銃口がのぞいている映像はこわい。
こわいものは強い。
優しいものは、肌ざわりはいいけど記憶に残らない。」
「まあ、ニューというものが、その気になって歩いていても、
いつも待ち伏せしているオールドに簡単に切られてしまうような
ニューではダメでしょう。」
「ふと目覚めると汗びっしょりで、夢だったと気付き、どっと疲れが出て、
泣きたくなりました。そして、「いつも大切に思っていることは、見たことの
ない世界を表現したいのです。」と、おっしゃる凪さんの言葉を思い浮かべたのです。」
「目の前のことをひとつずつやってきた。
それは、目の前だけをとらえるとS字を描いてきたように見えて、
俯瞰すると直線になっている。」
今までなんとなく感じていたこと、不安に思っていることを当てられたような
感覚になりました。同じ言葉でもみんなそれぞれ当てはめるものは
違うと思うけれど、どの分野においても少しずつ共通して言える
ことばかりでした。
特に凪さんのことについて書かれていたものはうるっときました。
私もふとした瞬間に凪さんを思い出すことがあります。
ビジュアルは言葉があってさらに強くなり、引き立っていました。
とてもいい展示でした。全身満たされました!
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