
11月半ばまで東京都現代美術館で博物館実習を受けていました。
そこで今、開催中の展示についておすすめしたいと思います!
まずは「レベッカ・ホルン展」
日本ではなかなか著名ではない方なので、まずは作家の紹介をしたいと思います。
レベッカ・ホルンは戦争中にドイツに生まれた女性のアーティストで、
今回は作家にとって日本で初めての大きな個展となっています。
展覧会の主題にある「静かな叛乱 鴉と鯨の対話」ですが、「鴉(からす)」は
日本的なイメージ、「鯨」は聖書に出てくるヨナが魚に呑み込まれる話から西洋
的なイメージとしてのシンボルであり、鴉と鯨の対話とは即ち西洋と日本の対話
を意味しています。
今回の企画展にあたって、以前作家が来日した際に京都で見た鴉の記憶から
「鴉の木」という新作が発表されています。
彼女の作品は主にパフォーマンスから始まり、パフォーマンスの記録を映像に
起こすことから映画製作へ、そして近年では音楽と詩を核とするインスタレー
ションの作品へ変化していきました。
学生時代は彫刻を専攻し、その時使用していた物質から1年間の闘病生活を強いら
れる事になりました。隔離された1年間を過ごしたことにより、周囲の空間との関
わりや、他者とのコミュニケーションの回復を出発点として、空間と自分とを意識
したパフォーマンスが行われるようになったそうです。
その為、彼女のインスタレーションには機械を浸かってドローイングを描くなどの
ボディ・ランドスケープの作品だったり、彫刻作品がモーターで動くなどのモネテ
ィック・スカルプチャーなどの作品が多く見られます。
3階はインスタレーションの作品で、1階は映像作品になっています。映像作品の
中の「妖精モルガン」は2009年にヴェニスのフェニーチェ劇場で上映され、
発表された新作の映像です。
3階の作品は、見る時によって形が変化していることがあります。動いたり動かなか
ったり、いつの間にか変化し始めたり、1つ1つの作品にじっくり時間をかけて見て
感じるとおもしろいと思いました。私はすぐに変化するものや瞬時に理解できるもの
ばかり求めてしまって、作品1つ1つに向き合ってみるという事をすっかり忘れてい
ました。東京の流れの早さが普通になっている私はヨーロッパの空気や時間の流れ方
の違いに作品を通して気付かされました。
2 件のコメント:
見に行ってきたよ!!
おお!感想聞きたい!
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