2009年12月3日木曜日

レベッカ・ホルン展

















11月半ばまで東京都現代美術館で博物館実習を受けていました。
そこで今、開催中の展示についておすすめしたいと思います!



まずは「レベッカ・ホルン展」



日本ではなかなか著名ではない方なので、まずは作家の紹介をしたいと思います。


レベッカ・ホルンは戦争中にドイツに生まれた女性のアーティストで、
今回は作家にとって日本で初めての大きな個展となっています。

展覧会の主題にある「静かな叛乱 鴉と鯨の対話」ですが、「鴉(からす)」は
日本的なイメージ、「鯨」は聖書に出てくるヨナが魚に呑み込まれる話から西洋
的なイメージとしてのシンボルであり、鴉と鯨の対話とは即ち西洋と日本の対話
を意味しています。
今回の企画展にあたって、以前作家が来日した際に京都で見た鴉の記憶から
「鴉の木」という新作が発表されています。

彼女の作品は主にパフォーマンスから始まり、パフォーマンスの記録を映像に
起こすことから映画製作へ、そして近年では音楽と詩を核とするインスタレー
ションの作品へ変化していきました。

学生時代は彫刻を専攻し、その時使用していた物質から1年間の闘病生活を強いら
れる事になりました。隔離された1年間を過ごしたことにより、周囲の空間との関
わりや、他者とのコミュニケーションの回復を出発点として、空間と自分とを意識
したパフォーマンスが行われるようになったそうです。
その為、彼女のインスタレーションには機械を浸かってドローイングを描くなどの
ボディ・ランドスケープの作品だったり、彫刻作品がモーターで動くなどのモネテ
ィック・スカルプチャーなどの作品が多く見られます。


3階はインスタレーションの作品で、1階は映像作品になっています。映像作品の
中の「妖精モルガン」は2009年にヴェニスのフェニーチェ劇場で上映され、
発表された新作の映像です。

3階の作品は、見る時によって形が変化していることがあります。動いたり動かなか
ったり、いつの間にか変化し始めたり、1つ1つの作品にじっくり時間をかけて見て
感じるとおもしろいと思いました。私はすぐに変化するものや瞬時に理解できるもの
ばかり求めてしまって、作品1つ1つに向き合ってみるという事をすっかり忘れてい
ました。東京の流れの早さが普通になっている私はヨーロッパの空気や時間の流れ方
の違いに作品を通して気付かされました。

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

見に行ってきたよ!!

マニ さんのコメント...

おお!感想聞きたい!