今年のペーパーショウは言葉のペーパーショウ。
いつものような紙の博覧会ではありません。
紙の不祥事やこの不況の時代にあって、
紙の未来をリセットして考えなおす時が来ました。
私は原研哉と松下計の「統括」というすべての講演のまとめの回でした。
最初は竹尾の授賞式があり、
統括は今まで講演してきた27人も要点をそれぞれ述べていくかたち。
デジタル化が進む世の中に対する
紙の今後の在り方についてや、それぞれの立場から見る
紙の価値などを述べていました。
いくつかメモしたことをまとめると・・・
◎新聞とはグラフィックデザイン。一覧性(ブラウザビリティ)であるもの。
見出しを見れば社会を大きく掴むことができる。
それに対してwebは詳しい情報は得ることが出来るが一覧性ではない。
◎2000年 500件あった和紙の業者は現在半分以下になっている。
和紙は日本のダイアモンドと言われるほど付加価値のある紙であるが、
伝統ばかりに固執するのではなく新しい和紙の在り方を模索して柔軟に変化する
必要がある。
◎私たちが100年前の人と対話できるのは本だけである。
by 岩波書店 社長
◎消費者は買うという段階のみにだけ能動的になる。
自ら調べて意思を共有するということが必要。
広告で紙にしか出来ない事がある。
というかそもそもメディアとは役割が違う。
◎デジタルカメラが普及されるようになってから
人はやたらとシャッターを押す回数が増えた。
それと反比例するようにプリントする数は吟味され
印刷するので減少していっている。
(確かに私もやたらとシャッターを切ってると思った!
そしてなかなか印刷しません。)
◎本来、情報は土台と一緒になっているものである。
デジタルになって土台と離れていってしまっている。
昔は長い絵巻物であれば、長い時間をかけて絵を描き、
同じく長い時間をかけて絵を見る。
それにより読む側と描く側がシンクロする。
ネットのスクロールだと、四角い画面の枠で区切られてしまって
いるので絵巻物と同じ状態は起こりえない。
◎昔は本屋とは一種のセレクトショップだった。
今の本屋とは売れ筋から並んでいる。
病院の本屋で売れる本棚の並べ方とか、受験をひかえた生徒に
参考書と一緒に何を並べたらいいのか、とか本は並べ方によって
大きく変わる。
(料理に例えると本と本のマリアージュって感じでしょうか。)
WASARAは海外から見てとても評価の高いものだそうです。
日本で見ても紙でできた美しいラインの食器は魅力的ですが、
海外だと立食パーティーが盛んであるので使用頻度が高いそうです。
今回は言葉のペーパーショウということで
講演会をまとめた冊子を頂きました。
リング式になっていて毎日の講演の様子が
タイムリーにデイリーレポートにしてその都度配られ、
ページを増やしていけるというものです。
だから入場券にも穴がふたつ開いていたのかと
納得しました。
2 件のコメント:
いきたかったわー
本当に良いものは
デジタル社会にも負けず不滅であって欲しい。
なかなかよかったよー◎
無駄な情報はデジタル化されていって
紙は減るかもしれないけど、
本当に重要なものは残ってほしいなー*
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